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2024/04/24 02:29 |
[Review] 最高の人生の見つけ方
最高の人生の見つけ方余命半年を宣告された、二人の初老。
一人は、大勢の家族に囲まれてはいるものの、与えられた境遇から、家族を養うのに精一杯。自分のことなど何一つ出来ずに老いてしまった。もう一人は、事業が成功し裕福な人生を送ってきたが、それは物質的なものであり、心はいつも孤独のまま老いてしまった。
そんな二人が病室で出会い、最初はただの他人同士だったのに、次第に惹かれあい、心を通わせ、そしてめくるめく夜のひと時へ……
     ってそんな話ではありません。

余命幾許も無い人が、死ぬまでにしたい、叶えたい願いを描く作品といえば、『死ぬまでにしたい10のこと』があります。話の本筋は同じ。では、この作品ならではの本質はというと、死ぬまでに願いを叶えたいというより、その願いを共に分かち合いたい、そうすることで自分が生きた証を、意味のある人生を送れたということを、誰かに知って欲しい、というところでしょうか。
沢山の家族に恵まれたけれど、全ては家族優先。自分が本当にしたいことはほとんど、というより何も無かった。本当に自分の人生は、このままで終わってしまうのだろうか。
経営が軌道に乗り、世界を一周できるくらいの資産がある。しかし、周囲に群がる人間どもは、自分というより自分の資産に目を向いているような気がする。本当に自分に目を向く人など皆無に等しい孤独の人生、このままで終わってしまうのだろうか。
終わりに近づいているからこそ、自分の人生をこれまで以上に輝かせる。それも勿論そうですが、何より『本当の自分』と向き合ってくれる、よき相棒を持つこと。それが、この作品で伝えたかったことではないかと思います。


こうまでいくと、ホロリと涙を誘うような物語のように思いますが、主演がジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの両氏なのだから、単なるお涙頂戴映画に留まるはずがありません。
気の利いた洒落や皮肉、ユーモアたっぷりの絶妙な演技。最後だから無理してでもドーンと花火を上げよう、というのもあるけれど、そんなのは自分の性には合っていない。最後まで本当に自分のペースで、自分の好きなままで時間を過ごす。これは、ジャック・ニコルソンが演じるエドワード、モーガン・フリーマンが演じるカーターの物語、というより、ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン両氏そのものによる、気ままな旅、といっても過言ではないでしょうか。

同じ願いを叶えるんだったら、一人より二人の方がいい。その方が、自分の生きた証が、自分の本当の姿が、どちらかの記憶に刻まれるから。
人間はいつか死ぬ。お互いの記憶にしか残らないとすれば、両方とも死ねば何も残らない。でも、「何も残さない」よりは十分マシ。誰かと分かち合うことが出来たと、満たされた心のままに、点に召されることが出来るから。
そんな気持ちで送ることが出来る人生って、本当に幸せなことではないでしょうか。

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2008/05/10 21:57 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

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