忍者ブログ
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


2024/03/29 21:03 |
[Review] ハイジ
ハイジこの映画には、『2人』の主人公が存在します。
1人は、言わずと知れたハイジ。もう1人は、壮大なるアルプスです。


人を信じられず頑なに心を閉ざしたアルムのおんじも、字も読めず将来の展望も見出せず、ただ劣等感を抱くだけのペーターも、お屋敷という狭い牢獄の中で一人寂しく暮らしているクララも、自分の感情に素直で天真爛漫なハイジと、空気がおいしく、壮大で美しいアルプスに、少しずつ変わっていく。
ハイジもアルプスの自然も、それ自体は特に何か特別な事をしているわけではありません。でも、この『2人』の主人公には、人を和ませ、癒すだけのパワーがあります。
アルムのおんじは村に暮らしていたら、きっともっと誰も寄りつけられないようなすれた人間になっていた。ハイジとの出会いによって、自身の愛する者、守りたい者を見つけることが出来た。ハイジがフランクフルトに連れ去られたあとの落胆振りは、今やここでは語らずとも。
文字も読めず計算もできないペーターは、勉強が出来ない劣等感の代わりに、山羊飼いという仕事を通して逞しく成長する事ができた。ハイジとの出会いによって、生きるために本当に必要な事を、少しずつでも理解していくようになった。
父親は仕事で滅多に帰って来ず、祖母もたまに遊びに来るだけ。多くの召使達が畏まっても、どこか距離があり、毎日が平坦で規則だらけに満ち、ほとんど牢獄の中で暮らすクララ。ハイジとの出会いは、そんなクララの生活に起伏が生まれ、毎日が笑いと楽しさで満ち溢れる(ロッテンマイヤーさんは激怒してたけど(笑))。そして、アルプスの自然が、クララに奇蹟を起こす。今まで足が不自由だった彼女が、立ち、歩く事が出来るようになる。


そして、この映画を観ている僕たちにも、この『2人』の主人公のパワーが、心にジワーっと染み込んでいくように伝わっていきます。
毎日がゴミゴミした都会の喧騒の中で暮らしている人にとって、この映画は、束の間とはいえ、一時の安らぎを与えてくれるのではないのでしょうか。また、『
Mission: Impossible III』でも同じようなことを書きましたが、サスペンスやアクションなど、知力体力共に激しさを必要とする映画を鑑賞する中で、このような、心が安らぎ、温まる映画もいいかもしれません。
かつて、宮崎アニメで観た『アルプスの少女ハイジ』の感動を、今また、スクリーン上で味わう事が出来ました。

拍手

PR

2006/07/21 23:38 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

トラックバック

トラックバックURL:

コメント

コメントを投稿する






Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字 (絵文字)



<<[Review] パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト | HOME | [Review] ダイヤモンド・イン・パラダイス>>
忍者ブログ[PR]